この記事は、最下部に表示されている文責者である弊社公式サイト内「新型コロナウィルス・新型肺炎対策のまとめ 第2部」のうちの、一部の分割記事となります。
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(トローチと喉飴に関する前回の記事 よりの続き)
充分なヨウ素摂取が新型コロナウィルス感染拡大防止に有効と仮定した場合は、コンブ以外の海藻摂取でも、充分有効であるようにも思えます。
しかしアルガアイ流新型コロナ対策としては、適量の昆布摂取を推奨しております。
その理由は下記のとおりです。
コンブを始めとしてワカメやモズクなどの多くの褐藻類には、フコイダンという食物繊維が含有されています。
このフコイダンには「抗アレルギー作用」があることが、さまざまな実験により証明されています。
フコイダンを豊富に含む褐藻類を食すれば、体内でアレルギーを引き起こす物質の生成を、抑制できるというわけです。
ここで重要なのが、「抗アレルギー」という言葉です。じつはこの言葉には下記のように、二通りの意味があるのです。
しかもその作用は真逆であるため、注意が必要です。
①免疫抑制作用
②免疫調整作用
①の免疫抑制作用とは、生命維持に欠かせない免疫機能を抑え込むことにより、症状を抑え込むことです。
代表的なものには、アトピー性皮膚炎の痒みをステロイド剤で軽減することを、あげることができるでしょう。
血行を阻害して炎症を抑えるわけですから、生命維持に不可欠な免疫力が低下します。後段で言及する甘草およびその抽出物である、グリチルリチン酸ジカリウム(グリチルリチン酸2K/グリチルリチン酸二カリウム/GKⅡ)も、同様の働きをします。
②の免疫調整作用とは、間違った方向に働いている免疫活動を、本来のあるべき方向に向かわせることです。
たとえば本来人体に害を及ぼさないはずの鶏卵に対するアレルギーや、過剰な花粉に対する反応である花粉症を軽減/改善することです。
さきほどのアトピー性皮膚炎もアレルギー疾患であることから、アトピーケアとしての効果もあるようです。
この免疫システムがもっとも間違った方向に向かうのが、リウマチを代表とする自己免疫疾患です。自らの細胞を異物/外敵と見なして、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)やT細胞などのリンパ球が攻撃します。
そのような状態で本当の外敵が侵入してきたとしても、ちゃんと応戦できなくなるでしょう。そのためかリウマチ疾患をお持ちの方は免疫力が万全でなく、感染症に陥りやすいとされています。
NIH(アメリカ合衆国国立衛生研究所)によれば、この難病であるリウマチでさえも、フコイダンで改善すること示唆する試験結果も出てきているようです。
食用海藻を駆使した食事療法での、改善の可能性が充分あるということです。
また同研究所によれば、フコイダンに限らず他の水溶性食物繊維であるアルギン酸化合物までも、抗ウィルス効果を発揮するようです。
この海藻はアカモク(ホンダワラ属)であり、秋田県あたりでは「ぎばさ」とよばれる褐藻類です。
余談ですが、私は一度だけ「ギバサうどん」なるものを食したことがありますが、やや青臭くネバネバたっぷりです。
なおホンダワラ属の海藻はコンブコンブ以上に、中国圏では薬とされています。赤黒くて艶のない針金が絡まったようなものが漢方薬のお店のショーケースの中に陳列されていれば、それがホンダワラである可能性が高いでしょう。
以上のように褐藻類には、免疫力をアップさせる水溶性食物繊維を含有しております。
フコイダンのみのおおよその含有量をみれば、真昆布で5%、がごめ昆布やメカブで15%程度です。
含有量が少ないのは、ヒジキやカットワカメでしょう。
湯通しするなどの加工途上で、大部分が流出してしまっていると考えられます。
なおメカブとはわかめの根元部分(生殖細胞)で、コリコリとした食感が特徴です。
このようにしてみると、結局はコンブがイチバン経済的で、またもっとも入手しやすいでしょう。
良質な素干しワカメや板ワカメは一般的には入手困難です。
またメカブは意外と高価です。昆布選びのコツですが、硬くて厚みのあるものが上質で、ネバネバ成分である食物成分を豊富に含むと同時に、お料理での仕上がりが柔らかくなります。端的に表現すれば、水分でよく膨らみます。
逆に薄くて柔らかくて波打っているようなコンブは、ネバネバ成分が少なく、仕上がりも硬いのです。
「硬い昆布は(仕上がりが)柔らかい!」ということです。
なお褐藻類に含有される水溶性食物繊維は、ちょっとした工夫で腸内での吸収が高まることが知られています。
それが海藻の酢の物です。
酢は水溶性食物繊維を低分子化する働きがあり、低分子化しても働きは低下しません。
その意味ではスーパーマーケットでよく3個パックで販売されている「モズク酢」なども、免疫アップに大きく寄与するでしょう。(スウェーデンのコロナ対策に関する次の記事 へ)
(2020年4月28日付けcocolog記事 より抜粋)