カテゴリ7(その他 日本経済の存立危機)
この記事は、最下部に表示されている文責者である弊社公式サイト内「ナフサ不足ではなくトルエン・キシレン不足」よりの転載記事となります。
「カルビー白黒印刷は売名」発言の“犯人探し”が示唆する高市官邸の“異様な空気”「言論統制」と「恐怖支配」
政府はナフサ不足について「一時的な目詰まりが起きているだけ」「総量では足りている」との説明を繰り返すが、事態は深刻化の一途を辿る。しかし、官邸内は異論を挟めぬ空気に支配され、新聞報道を巡っても一騒動が起きていた。
(中略)
そんななか製菓大手のカルビーが5月12日、「ポテトチップス」や「かっぱえびせん」など主力14商品の包装を5月下旬から順次、白と黒の2色仕様に変更すると発表したことは世間に大きな衝撃を与えた。さらに、朝日新聞が21日付朝刊で、カルビーの対応について官邸幹部が「売名行為だろう」と語ったと報じると、SNSを中心に「カルビーを応援する」との声が広がった。
(中略)
「実際のところ、官邸幹部らは口々にカルビーの対応への不満を漏らしていました。官邸内で誰かが『売名行為だ』と吐き捨てていてもなんら不思議はない空気でした」(前出・デスク)
ナフサは中東産に大きく依存し、国内生産分と合わせても全体の4割を中東からの輸入に頼る。しかし、高市早苗首相(65)は中東分を他地域からの輸入で代替できると強調。“総量としては足りており、流通が一時的に目詰まりしているだけ”との立場を崩していない。
「高市首相は自身に異論を唱える人物を許しません。最近では、議案の扱いなどで意見が食い違った浜田靖一氏を衆院議運委員長から更迭したのがいい例です」
(以下略)
首相官邸側からのカルビーさんへの誹謗中傷に関するニュースを聞かれて、カルビーさんに同情された方は、決して少なくないと思います。多くの商品は印刷を必要とするため、これまで経験したこともない、とんでもない状況となっているでしょう。
もちろんイラン戦争の早期終結を望むものの、ふつうに考えれば非常に困難な状況です。米国(アメリカ)側はオバマ合意から一方的に離脱して戦争を始めたわけですから、オバマ合意の内容より有利な条件で戦争を終わらせる必要があると考えるでしょう。オバマ合意より不利な合意内容で戦争を終わらせれば、表現がよろしくないかもしれませんが、不幸にして戦死された米兵がまさに「犬死」と捉えられてしまうからです。
一方イランは、力に屈しないという国民性があります。これまでたびたび欧米列強に蹂躙された歴史があるため、その意思はかなり強く、決してオバマ合意より不利な条件での終結には応じないでしょう。その結果砲撃で死んだとしても死後に天国に行けるなら本望というわけです。いわゆるジハードです。日本の戦国時代に頻発した一向一揆では「進まば往生極楽、退かば無間地獄」と唱えられましたが、まさに同様でしょう。’(私は死後の世界を経験していないため、極楽浄土が存在するか否かはわからないですが・・・。)
米国副大統領がイランへの核攻撃の可能性を示唆した発言がありましたが、核攻撃されたとしてもジハードは最後の一人まで続く可能性があります。もちろん核兵器など使用されることを望みませんが、米国ではなく追い詰められたイスラエルの首相がやりかねない、非常に危うい状況です。
以上のことから、米国で突発的な政変や事故でも起こらない限り、短くとも米国の現政権が続く2029年1月までは、ホルムズ海峡の正常化は望めず、石油危機は続く公算が高いといえるでしょう。米国の政権が共和党政権から民主党政権に移行すれば、オバマ合意を一方的に破棄してイランに攻撃したことは誤りであったと、政策を変更することが可能となり、イラン側が妥協できる可能性が高まるでしょう。それまでは日本の企業は、この石油危機を何とか乗り切らなければなりません。
印刷をフルカラーからモノクロには、もちろんラニングコストは下がりますが、版を新しく作らなければならないという初期投資が必要となります。企業にとって製品を供給し続けることが大切であり、包装資材を確保しておかなくてはなりません。先を見越した企業努力をしているカルビーさんに対し、首相を中心とする官邸側が皮肉を込めた言葉で圧殺しようとしたわけです。たいへん失礼で危険な行為だと、アルガ・アイは考えます。
2026年6月9日 閣議後 赤沢経産相 記者会見
ナフサ不足に関する記者質問に「全くずれている」 ──政治ニュース(日テレNEWS)で大臣は、「原油を精製したときに、ナフサが10出てきます。ガソリンが29、軽油が24、ほぼ割合が決まってでてくるわけです。」と、ナフサ不足を懸念する記者に対して反論されていました。ナフサの供給量は足りているが、流通で目詰まりが生じているため、結果的に不足しているとのそれまでの政府見解を補強した内容です。
私がこの記者会見で違和感を感じたのは、この記者さんの「ナフサが足りない、もっとナフサの供給を増やすべきでは?」といった質問です。あまりにも産業界の認識とかけ離れていて、まるでヤラセの質問なのではと勘繰る方もおられるようです。現在産業界での供給不足で困っているのは、印刷や塗装に不可欠な石油由来成分である、トルエンやキシレンです。原油の産地により、精製されて出てくるナフサは、組成が大きく違います。トルエンやキシレンの含有量が少ないナフサのため、それらを主要成分とするシンナーが不足しているわけです。このことを政府は、一切論じないのです。
以下はネット上に石油商社さんである三泰産業株式会社さんのホームページより抜粋した、ナフサに関する貴重な情報です。
本来は原油に占めるナフサの割合ではなく、ナフサに占めるトルエンやキシレンなどの割合が焦点となるべきなのです。中堅ながらそれなりに歴史のある企業さんなので、情報の信頼性は高いでしょう。
芳香族化合物(BTX:ベンゼン、トルエン、キシレン)の致命的不足
収率変化: 最も深刻です。米国産ナフサからのBTX収率は、中東産に比べて約60%〜70%も低下します。
派生製品への影響:
ベンゼン不足: スチレンモノマー(SM)が作れず、ポリスチレン(梱包材・プラ容器)やABS樹脂が激減します。
パラキシレン(PX)不足: 高純度テレフタル酸(PTA)を経由するポリエステル繊維(衣料品)やPET樹脂(ペットボトル)の製造が不可能になります。
トルエン・キシレン不足: 工業用溶剤や塗料、シンナー類が致命的に不足します。
米国産の原油から精製したナフサでは、今までと同じ量のトルエンやキシレンを供給するためには、概ね3倍の原油が必要となるわけです。言い換えれば、タンカーを3倍走らさなくてはなりません。しかもそれが可能となった場合は、トルエンやキシレンの供給が適量となった時には、それら以外の石油成分は大量に余ってしまうこととなります。これが今日本で起こっている問題であり、この点がほとんど論じられていない、または政府により「ナフサの目詰まり」という言葉で蓋をされてしまっているのです。
トルエンやキシレンは、ペンキ/塗料やインクにはなくてはならない成分です。テレビではさらっと程度でしか報じられませんが、住宅産業は瀕死の状態に陥りつつあるようです。イラン戦争が始まった当初は、リフォーム工事等でのペンキの色を選ぶことができない程度の問題でした。しかし今は、ペンキを入手することすら困難な状況になりつつあるようです。とくに体力のない中小企業に、負担のしわ寄せが集中します。外壁塗装ができなければ、竣工にたどり着くことができず、売り上げが立たなくなります。そのため塗装工事業や防水工事業の倒産が急激に増えてきて、2026年度は過去最多となる可能性が高いといわれています。
このような状況下で白黒印刷に踏み切ったカルビーさんの行動は、たいへん立派だと思います。その立派な企業さんに対して「売名行為」と悪口をいいながら、問題の焦点をずらして「ナフサは足りている」と言い張る首相官邸側に違和感を感じると同時に、他にも大切なことを国民に言わずに平静を装って隠しているのではという、さらなる懸念を禁じ得ません。
(続きは現在作成中)


