大坂なおみ選手に賛同 民族/人種差別は政治問題ではなく人権問題
カテゴリ5(その他)
先の全米オープンテニスで優勝を果たした大坂なおみ選手は、人種差別で犠牲となられた方々の名を刻んだ7枚のマスクすべてを観客し、観客とともに犠牲者に追悼することに成功したと報じられました。
一部のメディアは「政治問題をスポーツに持ち込むことは、いかがなものか・・・」といった反論はあったようですが、人種/民族差別は政治問題ではなく人権問題でしょう。
まったく次元が違うと思います。
このようなことで日本のスポンサーさんが契約を打ち切る危険性がささやかれているようですが、そのようなことなどまずあり得ないでしょう。
日清食品さんをはじめとする日本のスポンサーさんは、どこも人権を重んじる立派な企業さんばかり。
万一そんなことがあれば多くの国民は、もうカップヌードルを食しなくなるでしょう。
今回のことがすごいのは、テニスの世界で実行したということです。
テニスは他のスポーツに比べて、差別が多いとも言われています。
テニスはホワイトカラーのスポーツであり、ブルーカラー(労働者階級)のものではないといった風潮です。
それは今にも残っており、それが現在の全英オープン(ウィンブルドン)の、白が基調という服装のルールとなっています。
全米オープンは比較的進歩的とは言われていて、ウェアーに関しての縛りはそこまでありません。
かつてのトッププレイヤーであったアンドレ・アガシ選手が、度肝を抜くようなスタイルで、全米オープンで素晴らしいプレーをしました。
ド派手はヘアースタイルと、ブルーワーカーの象徴でもあるデニム(ジーンズ)生地のショートパンツです。
テニスはみんなのものと、言わんばかりの主張でした。
そんな全米オープンでも、時折人権問題は起こるようです。
2年前の全米オープンでの出来事ですが、フランスの女性プレイヤーのアリーゼ・コルネ選手が、ウェアーの前後を逆さに着てしまったことに気付き、コートサイドでとっさに着替えたことに対し、審判が規約違反だと警告を発したことです。
観客にスポーツブラが見えてしまったのは事実ですが、もちろんストリップを行ったわけではありません。
またこの行為が規約違反になるような、ルールの記載もありません。
男性選手なら何ら問題のないことが、女性がすれば警告となるのです。
この件は性差別だとの批判を浴び、主催者側の謝罪で決着したようです。
このようにテニスの世界は、人権問題では半ば発展途上なのです。
その世界で今回の事を実行した大阪なおみ選手に、私も皆さんと同様に、賛辞を贈りたいと思います。
差別とは、差別される側以上に差別する側にも、大きな危険が生じるものです。
大坂なおみ選手のこの抗議行動は、日本国内のヘイトスピーチやヘイトクライムへの抗議でもあるでしょう。
差別は国を亡ぼします。