カテゴリ7(その他 コンブ旨味ドリンクの危険性)
この記事は、最下部に表示されている文責者である弊社公式サイト内「昆布うまみドリンクの危険性」のうちの、一部の分割記事となります。
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(前回の記事よりの続き)
あさイチでは、毎日旨味ドリンクをお作りになられている女性が、紹介されていたようです。
その女性は500MLの空のペットボトルを、お使いになられたようです。
そこで私もその女性と同じように、実際にうま味ドリンクを作ってみました。
30グラムの乾燥昆布を、繊維の向きに対して直角にハサミを入れ、5~10mm幅度の幅で切っていきました。
切り終えた乾燥昆布を、ポカリスエットの空のペットボトルに入れて、その上から水道水を注いだところ、480MLしか入りませんでした。
5%にも満たない誤差範囲のため、そのまま実験を続けることに決定。
夏季のため腐敗しないように、冷蔵庫内で24時間抽出しました。
24時間後に別の空ペットボトルに水分だけを移したところ、約280グラムの黄緑色がかったドリンクが採取できました。
もし500MLの水道水を入れていたら、約300グラムのドリンクが採取されていたことになります。
なおここでは便宜上、ドリンクの比重も水と同じ「1」といたします。
残りの昆布は、このような状態です。
昆布は水につけておくと、30分もすれば90%のヨウ素が溶出すると言われています。
24時間もつけておくわけですから、殆どのヨウ素が水道水の中へ溶出すると考えるべきでしょう。
ただし今回の実験では加える水の量は少なく、加えた水道水のうちの40%が、昆布の中に留まっていることになります。
つまりヨウ素の40%も、昆布の中に留まっていることになります。
以上のことから、採取した280グラムの特製旨味ドリンクの中には、下記の量のヨウ素が含有されていることになります。
●厚生労働省の数値の場合: 23mg(39mg × 0.6)
●アルガアイ的数値の場合: 90mg(150mg × 0.6)
ご参考までですが、アルガアイ的数値でみた場合は、有機ヨウ素と無機ヨウ素の違いこそあれ、イソジンうがい薬の希釈後のうがい液と、ほぼ同程度のヨウ素濃度となります。
そして次に、ヨウ素の上限摂取量をみてみます。
日本人の食事摂取基準2015年度版によれば、大人のヨウ素の上限摂取量は、3mg/日とされています。
つまり毎日特製旨味ドリンクを作って全部飲み干すと、上限摂取量の8~30倍ものヨウ素を摂取することになるわけです。
明らかに常軌を逸脱しています。
これが私が危険だとする理由です。
国民の健康のために国が発信している情報が、この特製旨味ドリンクには、残念ながらまったく反映されていないのです。
かつて北海道の日高・礼文・利尻地域等の昆布採取地では、沿岸性甲状腺腫(甲状腺ガン)が多発していました。
患者さんの昆布の摂取量は、1日あたり10~20グラムだったそうです。
特製旨味ドリンクでは、昆布18グラム(30g × 0.6)分のヨウ素を摂取することになるわけですから、このドリンクの危険性をおわかり頂けると思います。
その上、ペットボトル内に残った昆布を、捨てるとは考えにくいことも、このドリンクの危険性をさらに高めることとなります。
旨味のある昆布であれば、30グラムで100~200円するでしょう。
捨てるには、もったいないお話です。ご存知のように昆布というものは、一番出汁をとった後は、二番出汁をとったり、昆布料理に使います。
ですからもし一人住まいの場合は、残りの40%のヨウ素も上乗せとして摂取することとなります。
二人世帯であれば、残りの20%のヨウ素が上乗せされることになります。
こうなってしまえば、沿岸性甲状腺腫が多発した状況よりも、さらに危険性は上回るというわけです。(→ 次回の記事 へ)
( 2020年7月13日付けココログ記事 より転載)